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リニューアル後はPVが20倍に。
YADEAの正しい情報が伝わるブランドサイトづくりとは

当社がサイトリニューアルを担当した電動キックボードのブランドサイト「YADEA」。今回は事業責任者の住田勝様に、サイト制作を通しての感想や満足度、反響を伺いました。目指したのは良いデザインと情報の信頼性を両立するサイトということで、どのように実現に向かって進んだのか、担当ディレクターの進藤との対談形式でお届けします。

YADEAの情報発信を存分にできるウェブサイトに

貴社の事業について簡単に教えて下さい

住田:当社は長谷川工業株式会社と申しまして、1956年の創業以来、はしごや脚立など足場製品の製造販売をメイン事業としている製造メーカーです。近年、新規事業の開拓も積極的に行っておりまして、その中の一つが電動モビリティ関連の事業。今回は世界的な電動キックボードブランドのYADEAを当社が国内展開するにあたり、日本国内向けウェブサイトのリニューアルをスピカデザインさんにお願いしました。それ以前に別の電動モビリティ事業のサービスサイトも担当していただいております。

YADEAのウェブサイトをリニューアルしようと思ったきっかけはなんですか

住田:情報発信をどんどん行えるサイトにしたかったのがきっかけです。以前のサイトは電子カタログ的な意味合いが強くて、問い合わせが来るような作りではなく、ニュースやイベントがある際のスピーディーな更新もしにくいものでした。実際には試乗会の様なイベントも盛んに行っていますし発信している情報も多いので、それらをウェブサイト経由でしっかり伝えたいという想いがありました。

スピカデザインさんに今のウェブサイトを作っていただいてから、更新がすごくしやすくなりました。また、PV数がこれまでの約20倍になり、ウェブサイト経由で商品について知っていただいた上で試乗会にお越しいただく方も、すごく増えた実感があります。

デザインセンスと当社への理解度が発注の決め手

スピカデザインをどの様に知りましたか

住田:元々、スピカデザインさんには私とは別の担当者から長谷川工業本体の動画制作の仕事をお願いしていたんです。その頃からすごく仕事とコミュニケーションが丁寧な印象があったので、別サービスのウェブサイト制作を一度お願いしてみようかというのから始まりました。

制作会社に求めていたものとスピカデザインへの発注の決め手を教えてください

住田:仕事を進める上で精度の高いコミュニケーションを取れるかというところは重視しました。

もう少し分解すると、感覚的なところではデザインのセンスが当社と合うか。動画をやってもらっていたときから、「スピカデザインさんなら大きく外れたものは作ってこないだろう」という安心感がありました。

知識的なところでは電動キックボード市場と当社製品に関する理解があるか。ここに関しては当社と長くお付き合いしていただいていることで、スピカデザインさんの方で理解度を深めていただいてたのも良い要素でした。

スピカデザインさんにはベースとしてこの2点があったので、コミュニケーションをとる中で大きな齟齬が生まれないだろうと。結果として望んだウェブサイトが作れるはずだと感じたのが発注の決め手です。

信頼できるサイトをどうデザインで表現するか

制作するサイトでアピールしたかった点は何ですか?

住田:YADEAが安心・安全な乗り物であるというところをアピールすると同時に、電動キックボードに関する正しい情報を発信するサイトにしたいと考えていました。

簡単に電動キックボード業界の状況を紹介しますと、2023年7月1日の法改正により「特定小型原付」という新区分が生まれました。これまで原付バイクと同じルールでの公道走行が義務だったのが、製品によっては一部緩和されたということ。これは大きなニュースになり、メディアに取り上げられる機会も非常に増えています。

ただ、ユーザーや世の中の理解はまだそこまで進んではいないですし、残念ながらメーカーやサービス提供企業からの正確な情報発信も全然足りていないと感じています。これまで電動キックボードというと「楽しくてポップな感じ」を全面に押し出しているサイトが多かったんです。でも、当社の場合は決してそういう色だけではなく、ユーザーがわからないことをちゃんと解決できる親切なサイトを作りたいという想いがありました。

また、当社が歴史あるメーカーというところもあり、世間的な注目度や問題が起こった時のリスクが大きいというのも特徴としてあります。実際に警察からも表現に関してかなりコメントや意見をいただいてますし、安全と法遵守という要素をどのように表現するかはスピカデザインさんとかなり話し合いました。

進藤:例えばトップページの背景に埋め込んでいるムービーのモデルにしっかりヘルメットを着用してもらったのも安全を表現する一環ですよね。また、機体自体が法のルールにのっとっている作りになっていることを文字でもビジュアルでも伝えることは意識して作成しました。

変化の激しい業界に対応できるフレキシブルなサイト構成

サイトを作っていく中で一番悩んだことは何ですか?

住田:サイト構成をどのようにフレキシブルにするか。電動キックボードは乗り物として新しいので法整備がまだまだこれからなんです。まさに今回の法改正のように新しい枠組みがどんどん生まれていく渦中にあり、正確に先を読むことが難しい。当社として電動モビリティ事業を推進していくことは間違いないのですが、主力製品やサービスが変わる可能性は大いにあります。その変化に合わせてスムーズに改修できるサイトにしなければというのには頭を悩ませました。

進藤:サイト構成に関しては、製品がこれから追加されていったり主力が変わるかもという可能性のお話はお伺いしていました。だから、サイト自体の方向転換を簡単にできるような作りにはしてあります。

例えばトップ背景の動画に関しては現在特定原付ではないものをメインにして撮影してありますが、これは今後撮り直した動画を埋め込めば特定原付を強く押し出したサイトにできます。動画や写真、テキストの入れ替えだけで、ブランドイメージを壊さずに発信内容を変えることができるのがYADEAのウェブサイトの特徴です。

提案されたデザインの裏付けもしっかりしており納得できた

提案したサイトデザインの第一印象はどうでしたか?

住田:変に尖りすぎず、落ち着いた中でもスッと入ってくるデザインで良いなと思いました。スピカデザインさんから提案されるデザインで「これはありえないよね」みたいなものが出てきたことって一回もないんですよね。A案、B案と提案いただく中での裏付けの説明もしっかりありますし、思いつきで作っているわけではないというところが伝わってきます。

提案資料もしっかりしていますよね。正直制作が始まる前の提案資料なので、作り込まない資料で良いと思うんですが、スピカデザインさんの資料からは手抜きじゃない感じが良い具合に伝わってきます。その資料をもとに方向性を詰められるので、制作を進めると最初の想像を超えたものになってくれて、みんなが納得できるものになったと思います。

進藤:ありがとうございます。当社の強みっておそらくバランスが良いところだと思うんです。

一般的にクリエイティブ面に特化しているウェブ制作会社だとアート性やデザインのクオリティが高いけど操作性があまり良くないことがあるじゃないですか。一方、コスパ重視のウェブ制作会社だと安くて早いけどデザインがイマイチだったりテンプレ的な使い回しサイトだったりしますよね。

当社はちょうどその中間に位置してるかなと。サイトとしての使いやすさを担保しつつ、事業やサービスの魅力をお客様ごとに独自のデザインで表現することは心がけています。

人間的なコミュニケーションがありお互いの理解を深められた

制作をしている中で、印象的だった対応やエピソードはありますか?

住田:これもしかしたら、進藤さん的に言われるのが嫌かもしれないんですが(笑)、最初は結構遠慮がちというか、あまりぐいぐいこない印象だったんですよね。それがどこかのタイミングで何かスイッチが入って、すごく良いスタンスで関わってくれる様になった。私が言える立場でもないんですが、関わっている人が成長している様子を目の当たりにできたのがすごく嬉しかったです。

私は前職がPR会社だったもので、提案やクリエイティブに関してはおそらくパートナーに対して厳しめだと思います。辛かったことも多いのではないでしょうか(笑)

進藤:いえいえ(笑)。住田さんがPRに関してすごく実績をお持ちなので、確かに最初はちょっと気を使いすぎたかもしれません。ただ、YADEAのサービスをウェブで魅力的に表現する自信はありました。コミュニケーションをとってお互いの理解が深まることで、私からどのようなスタンスで提案したら良いか方針が定まっていったと思います。また、一緒にお仕事する中で学んだこともたくさんあり、良い経験になりました。

住田:単なる受発注の関係ではなく、人間的なコミュニケーションを築きながら仕事をできるのはスピカデザインさんの良いところだと思います。仕事を重ねていくごとに、こちらのレベルや考えの理解度が高まり、当社にあった提案をしていただけるのはすごく感じました。

PVは約20倍に上昇し女性実客の増加も実感。更新もスムーズ

公開して反響や変わったことはありますか

住田:リニューアル前は月3000PV程度だったのが、リニューアル後は20倍近い約5万PVまで上がりました。それに伴ってかどうか正確にデータ採りはしていないんですが、特定原付の電動キックボードの売上も急増しています。当初の目標では今年の4月から一年かけて1000台売るのが目標だったんですが、もうすでに達成してしまいました。

また、イベントにご来場されたお客様にアンケートをとったところ、購入確度の高いお客様はYADEAのホームページやインスタ等のSNSをご覧になっていることもわかっています。それを数値化して社内に共有したところ、スタッフのホームページへの意識改善が進んだのも収穫だと思います。

特に気に入っている部分があれば教えてください

住田:デザインも操作性もシンプルかつ万人受けするところが気に入っています。ユーザーが知りたい情報をしっかり取りに行けるサイトになっているのではないかと。

あとは、サイトデザインによってターゲットが広がったとも感じています。性別ごとのアクセス解析はしていないんですが、インスタの投稿を見た女性の来場が増えていたりと変化は確実にあります。

進藤:元々リニューアル前のサイトのデザインは男性のイメージが強かったんです。製品ターゲットとしては30代ぐらいの男性がボリュームゾーンということだったんですが、思いっきりそのターゲットに寄せてしまうと、デザイン的に無骨で重ためな、ちょっと他社に埋もれてしまう感じになると思いました。

住田さんと話し合った結果、女性のモデルを起用して色使いは若干男性寄りという、トータルで見ると中性的なバランスにたどり着きました。万人受けするような雰囲気を作れたかなと思いますね。

更新機能を実際に使ってみていかがですか

住田:スピーディに対応でき、自身のスケジュールで動けるので、すごく便利です。例えば金曜日に来週末のイベントが決まって、週明け月曜までにはイベント告知をサイトにアップしたいということがある。以前の制作会社だと情報更新1箇所につき2万円程度の費用が発生する上に、急ぎの要望に答えてもらうのが難しかったです。リニューアル後は自分で管理画面からイベント告知を投稿できるのでストレスがなくなりました。

営業担当者や販売店からの評価も高い

社内や取引先からの評価はどうでしょう

住田:社内の営業担当者や販売店の担当者からの評価は非常に高いです。営業担当者からすると製品情報、販売店情報やイベント情報が見やすいデザインで全部まとまっているので、サイトを見せれば提案や説明ができる。営業資料を苦労して作る必要もありません。

また、販売店からすると、自分の店舗の情報が非常に見やすいデザインで都道府県別に出てきてくれるので良い。店舗でのイベント情報やメンテナンスの情報などもアップしているので、当社が店舗の宣伝活動をやっているかたちです。これはすごく感謝されますね。他の電動キックボードメーカーとの差別化になっていると思います。

進藤:販売店紹介とアフターサポート店舗紹介を見やすくしたい、サイトを活用して販売店向けに営業を行いたいというお話は伺っていたので、その点も意識して制作をしています。

営業を重ねていくと販売店がどんどん増えていくので、フレキシブルに編集できる作りが良いのかなと。ですので、店舗一覧は住田さんが管理画面から追加や削除などが自由にできる様にしました。

販売店からしたらここで紹介してもらえる、営業としては営業ツールとして使える、製品を買いたい方は販売店をすぐに探すことができる、いろんな方にメリットがある仕様にできたと思います。

若い感性でズレない提案をしてくれるのでストレスが少ない

スピカデザインの対応やレスポンスはどうでしたか?

住田:満足しています。進藤さんの人柄もあると思いますが、すごく相談しやすいですね。

何かを作ろうとなった際に、自分達の中でやりたいことが明確になっているようで実はなっていないことって多いはずなんですよね。そこをしっかり整理して明確にしてくれる能力があると感じています。

進藤:ありがとうございます。やっぱり議論を重ねていかないと目的や前提が明確になっていかないので、しっかりお話を伺うこと。その上で、いろいろと仮説をお出しして、それは違う、それは正解というのを繰り返すことで進むべき道がわかってくるのではないかと。だから、見当違いかもしれないけど、まずはいろいろと提案してみるのは心がけています。

スピカデザインに頼んでよかったことを教えてください。

住田:今の話の延長になりますけど、仮説を立てられてもあまりにも見当違いだったら、何考えてるのかって話になるじゃないですか。でも、そういうずれがないのはありがたいですよね。

おそらく当社についての理解度をこれまでの関係やお仕事の中でしっかり育んでくれたというのが大きいと思います。また、それに加えて、ウェブ制作会社としてのレベル感がそもそも高い。

一口にクリエイティブを手がけている、ウェブ制作をやっている会社といってもいろいろありますよね。例えば、現在はwebもやっているけれどもそもそものスタートが紙媒体だったら、社員の年齢が高かったり感性がちょっとレガシーだったりする。出てくるものがなんか違うんだよねとか、話していて噛み合わないということが起こるわけです。

スピカデザインさんの場合は、そういったズレがないので、結果としてスピードも速いし余分な費用もかからない。これは本当に良かったですね。

進藤:当社の社員の平均年齢が30代前半くらいなので、感性がちょうど良いのかもしれませんね。トレンドのキャッチアップもできていると思います。

別事業のウェブサイト制作もお願いしたい

今後の期待・要望はありますか?

住田:私は他にも新規事業を担当しているので、引き続き守備範囲を広げてやっていただけるとありがたいなと。ウェブサイトのリニューアルや新規制作の予定はこれからもありますし、動画などのコンテンツでもぜひ力を発揮していただきたいです。

進藤:ぜひご相談いただければ嬉しいです。また事業の理解をイチから始めることにはなりますが、高い事業理解度で制作を担当させていただければと思います。他にも動画や写真撮影、印刷物制作など、ウェブに関わらず何でも屋みたいな感じでお気軽に利用いただければ幸いです。